
警戒していた台風ですが、今のところ思った程雨は降っていませんね。
先日お越しいただいた方と、整体後にお話をしたときのことです。
消化器の働きが少し悪くなっているようでしたので、普段どのようにお食事をとられているのかお伺いしました。
すると食欲が全然ないのだけれど、入院した折に痩せてしまったなどの理由もあり、「たくさん食べて栄養をつけなければ」と無理してご飯を食べているとお話いただきました。
更にご自身だけでなく、お嬢様からもお母様へのお気遣いから、しっかり食べるようにと言われるため、尚更頑張って食べなければと思われていたそうです。食が進まないので、食べきるまでに1時間くらいかかることもあるとのことでした。
そこで、食欲のないときには無理して食べなくていいですよ、とお伝えしました。
この方にとって、お食事が辛いものとなってしまったのは、ふたつのことが関係していると感じました。
ひとつは、食欲のないときに、無理してたくさん食べること。
ふたつは、食欲のないときに、しっかり食べなければと思い込み、ストレスを溜めていること。
この食べ方をしていると、いつまで経ってもなかなか食欲が出てこないばかりか、却って身体を壊すことにもなりかねません。
働きの落ちているときに、たくさんの食べ物を消化しようとすると、消化器に負担がかかり更に機能低下を招くという、負のスパイラルに陥ってしまいます。
よっぽど衰弱しているときは別として、食欲のないときに数日食べなかったくらいで、命を落とすことはまずないでしょう。逆に、無理やり身体が必要としている以上のものを何日も食べ続ければ、結果的に病気を招くということは十分ありえることだと思います。
食欲とは文字通り食べる欲求のことです。
食べる欲求は何故起こるかと言えば、身体が生きていく上で、その栄養を必要としているからに他なりません。
全く同じ塩分濃度の食べ物であっても、必要なときには美味しく感じ、不要なときには塩辛いと感じます。
夏の暑い日にトマトやキュウリなど水分が多いものを食べたくなるのも、寒い時期に糖質の多い芋類が美味しいのも、激しく運動した後にこってりしたおかずと大盛ご飯が食べたくなるのも、季節や生活によって変化する身体の、内から生まれる欲求によるものなのです。
逆に言えば、食べたくないときというのは、大体において身体が必要としていないときです。
風邪のときに、食欲がないのも同じです。体温を上げてウイルスなどと戦っているときに、身体は消化吸収にエネルギーを使いたくないからです。
身体のことというのは、自分の感覚に従えば、上手くいくようにちゃんとできています。
それを頭で考えてどうこうしようとしすぎると、逆に身体の邪魔をしてしまうのです。
「食べなければ」と頭で思い込むことで、食事をとること自体が義務化してストレスとなり、更に食欲が減退してしまったのだと思います。
無理して食べることないですよ、とお伝えしましたら、そうなんですか?とホッとして肩の荷が降りたようなご様子でしたが、それだけ思い詰めて食べなければいけないと思われていたのでしょう。
胃袋と感情はとても繋がりが深いので、ストレスを感じると働きが落ちて、ご飯が美味しく感じられなくなってしまいます。
全く同じお店の同じ料理を食べても、大好きな恋人と食べるときと嫌いな上司と食べるときでは、おいしさが違うと感じるものです。
自分にとっての「健康にいい食べ物や食べ方」は、他人の情報や自分の頭に聞くのではなくて、自分の身体(欲求)に聞くのが一番!それは日々刻々と変わるものですが、一番の指標は食べて「おいしい!」と感じるかどうかです。
そしてあれもこれも必要と過剰にバランスを気にしなくても、身体をちゃんと整えておけば少量の食事からでも十分必要な栄養を吸収できるでしょう。
今の時期は、一年を通してみれば食欲は落ちるのが当然です。
むしろこの時期に食べ過ぎないよう気をつければ、秋を快適な身体で迎えることができます。
ただ元々スリムな方や食の細い方が食べられなくなると、体重とともに体力も落ちてしまい心配な方もいらっしゃるでしょう。
そういうときに右の骨盤を上げる整体をしておくと、消化器の働きが高まり自然と食欲も戻ってきます。気になる方は、身体を整えにいらしてくださいね。
台風が過ぎれば、また暑さが戻ってくるようです。
寒暖の差で体調を崩されないよう、お気をつけくださいね!
※同じようなことで悩まれている方のお役に立つと思われるときには、このような形でお名前を伏せて、ブログに実例を書かせていただくことがございます。
もし匿名でもご自分のことを書かれることに抵抗があるという方は、どうぞお知らせくださいね。